「ワタシノコト in 2024」
応援してくださったすべての皆さま
本当にありがとうございました。
少しづつ「ワタシノコト」という作品の和が広がっていく感覚が、嬉しいです。
僕がなぜこの作品を書きたかったのか、終演して一週間、
いろいろと考えを巡らせてました。
もちろん、樋口祥久さんというIdentityの塊に出逢ったことがきっかけは間違いないです。
僕の大好きな作品「Rent」や「Come from Away」「ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー」「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」などに含まれている物語の成分は
みんな違って
みんなが尊くて
人間って素敵じゃないかって思わせてくれるんです。
だから僕も愛とか恋とか、そんな甘ったるいもんじゃなくて、
人間の尊厳、人間たる意味を訴えかけるような作品をずっと作りたかったんだと思います。(不器用の台詞のままですね笑)

人間は不完全です。
当たり前に不完全。
なのにみんながまともにならなきゃって思ってしまう。
まともとは?
正解しなきゃならない。
正解とは?
こんな質問を僕は10代の頃からずっと自問自答していました。
色とりどりの声に溢れたブロードウェイミュージカルを見て、
こんなふうに歌えたら最高だなーと思ったのが始まり。
多分そこに圧倒的な自分らしさを感じたんですよね。
日本にいると・・
なんて言い方は良くないですが、
「アンサンブルの私なんかが」
とか、
「チケット売れない俺なんかが」
と言ってしまう方が多い気がしてました。
先輩も、後輩も。
先輩がそんな事を言っている時は
「何言ってんすかー」
と軽く流していた20代。
後輩が言い出したら
「なんかっていうな!!あなたは唯一無二だ!!」
って強めに言い始めた30代(笑)
言霊ってあると思います。
心の奥底では違うと思っていても、
言い続けるとその言葉に心が覆われていきます。
だから
「自分なんかが」
なんて絶対言っちゃダメです。
そんな想いを作品で伝えたくて、今回は台本をブラッシュアップしてました。

それと同時に
「平和を祈る」
という言葉も、言い続けなければダメです。
最近のSNSの風潮で「平和」を語ると
平和なんて言ってるだけではダメだ
逆に無責任だ
責められたらどうする
というバッシングが起こります。
この同調圧力に屈せず
自分の感じる平和という意志を形にするために
僕は中村哲医師の作品を作る事を決めました。
平和を祈り続けることは
対話をし続けることです。
相手を尊重し、
今そこにある奇跡を抱きしめることです。
中村哲医師を通じて感じた僕の想いを込めて書いた
オリジナル音楽劇「生きるということ」。
ぜひ、来年の4月をご期待ください。

・・・・・・・・・・・・・・・
【公演情報】
中井智彦・新作オリジナル音楽劇「生きるということ」
医師・中村哲氏は、アフガニスタンで戦乱や干ばつに苦しむ人々を救うためには医療だけでは限界があると痛感し、誤解や障害に晒されながらも、水路を作り、土地を潤し、農作物を蘇らせ、多くの命を救ったー。
凶弾に倒れてしまった今、「命を守る」ために力を尽くした中村医師の人生に触れ、「生きるということ」とは何かを考えるオリジナル音楽劇。
公演日:
2025年
4月25日(金)夜公演
4月26日(土)昼・夜公演 ※全3公演予定
会場:
吉祥寺ROCK JOINT GB(東京)
出演:
上野哲也
中井智彦
樋口祥久
演奏:
長濱司(ピアノ)
成尾憲治(ギター)
西原史織(ヴァイオリン・ベース)
脚本・演出:中井智彦
音楽:長濱司
振付:樋口祥久/米島史子
音響・照明:吉祥寺ROCK JOINT GB
主催・企画制作:upcoming株式会社
・・・・・・・・・・・・・・・
最後になりますが、「ワタシノコト」は僕たちのIdentityの象徴です。
また脚本のブラッシュアップ頑張りますので
不器用フェミニン、略して「ブキミン」の世界に足を踏み入れください!
お待ちしています!
中井智彦でした。
※写真:宮川まりな