「ワタシノコト」の脚本は毎回ブラッシュアップしています。
ここをこうした方が効果的だな
とか
ここの音楽の入れ方、こうした方がスムーズかも
など、作品にとって効果的になる台詞やタイミングを新たにを書き込んでいます。
その効果的なものとは別に、
僕が生きている中で感じる喜びや悲しみを見つめ直す時間を作り、考えます。
SNSのいいねを増やすために
当事者ではない人が取り上げる個人的な記事は、
見ていて気持ちの良いものではないこと。
そしてニュースで扱われる話題も、
スキャンダルや個人的なプライベートを掘り下げて作られる番組が多く、
僕はやはり見ていて気分が悪くなること。など。
ちょっとした日常を振り返る中でも「悲しいな」と感じることはあります。
その反面、
日常の家族との時間や、
地域の方と話し合うお祭りの話とか、
創作ミーティング、
楽器の練習、歌の練習など、
画面越しの情報で操作される世界ではなく、
リアルに感じることができる、そこにある楽器の感触、
『そこにいる人』との交流からでないと生まれてこない奇跡みたいな感覚に、
やはり僕は喜びを感じるんです。
『そこにいる人』と話すことは
時に怒りが湧いてきたり
時に抱きしめたくなるほど愛おしくなり
自然と相手を気遣い
自然と相手を想います。
この感覚を日常の他に味わえるのが、舞台やライブなんです。
『そこにいる人』が出演者同士であり、僕の音楽を聞いてくださる方であり、
観客として客席で座っている皆さんでもある。
だから僕は舞台が好きなんだよなぁ・・と改めて感じることができる。
そんな見つめ直す時間が大切なんです。
そこから生まれてきた新たな「ワタシノコト」の脚本を、
昨日樋口君とディスカッションしました。
最初は「これはどういう意味ですか??」
と迷っている樋口君に対して、僕の意図を説明する過程がたまらないのです!!笑
「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」の稽古が佳境の中、
この作品の中にあるボヘミアン精神はまさに僕の芸術の根源であり、
「ワタシノコト」で僕たちが訴えかけたい想いでもあります。
再演のその日まで、ブラッシュアップは続きます。
「ワタシノコト 2024」
是非、楽しみにいらしてください!
中井智彦